 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 【緒言】多量の子宮出血を伴う全胞状奇胎に対し，子宮動脈塞栓術によって出血を減少して全身状態を改善した後に子宮内容清掃術を行って奇胎を除去し，子宮を温存しえた症例を経験したので報告する．【症例】25歳．身長154cm，体重42kg．妊娠，分娩歴：1経妊0経産（人工妊娠中絶1回）．既往歴：高校生まで気管支喘息．現病歴：発症3カ月前まで低用量ピルを内服．内服終了2か月後，性器出血を認めたが月経と考え放置した．その後も少量ずつ性器出血があり，腹部腫瘤感が出現するも放置した．突然の大量性器出血と下腹痛を主訴として近医を受診した．Hb7.2g/dl，尿中hCG定性陽性，経腹超音波断層法にて胞状奇胎を疑われ当院に搬送された．当院搬送時，血圧80/40mmHg，脈拍133/分，意識レベルJCS―1，子宮は新生児頭大に腫大し，子宮口からは嚢胞様構造物が脱出し，持続的な出血を認めた．経腹超音波断層法では，多量の低輝度嚢胞性病変を伴う高輝度腫瘤を子宮内に認め，Hb5.2 g/dlであった．胞状奇胎による大量出血によるプレショックと考えたが，若年未産婦であり，子宮温存を目指して，インフォームド・コンセントを得て子宮動脈塞栓術による出血の制御を試みた．RCC―LR 9単位，FFP―LR 10単位の輸血を行いながら両側子宮動脈にカテーテルを挿入し，スポンゼルによる塞栓を行った．塞栓後，性器出血は減少し，血圧上昇，意識レベルの改善を認めた．塞栓翌日，子宮内容清掃術によって，大量の嚢胞性病変を除去した．これによってほぼ完全に止血した．病理組織診断はcomplete hydatidiform moleであった． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 228-228, 2011 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |