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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
当院におけるがん生殖医療(Oncofertility Treatment)の試み


奥津 由記, 杉下 陽堂, 五十嵐 豪, 吉岡 伸人, 秦 ひろか, 村山 季美枝, 田村 みどり, 鈴木 直, 石塚 文平
聖マリアンナ医科大学産婦人科


当院におけるがん生殖医療の定義は“がん合併の不妊症”であり,がん治療による医原性の不妊症例と不妊症患者にがんが合併した症例の両者が含まれる.現在がん生殖医療リストには24名が登録されており,がん治療に伴う妊孕性温存目的が12名,がん合併の不妊治療中症例が12名である.治療に伴う妊孕性温存目的12名のうち女性8名の基礎疾患はホジキン病1例,乳癌4例,SLE1例,子宮頸癌1例,卵巣癌1例であり,温存方法は卵子凍結2例,卵巣凍結3例,胚凍結3例となっている.いずれも術前後の化学療法や免疫抑制剤投与に伴う卵巣機能の低下が予想された症例であり,原疾患の治療開始前に配偶子を凍結した.一方,がんを合併している不妊治療中の症例は,子宮体癌6例,卵巣癌2例,大腸癌2例,乳癌1例,ホジキン病1例である.いずれも原疾患の再発検索を慎重に行いながら,十分な説明と同意が得られた症例を治療の対象としている.不妊治療の方法は年齢や他の不妊因子に基づき一般不妊治療と同様に選択しているが,子宮体癌症例に対しては高用量MPA療法後の再発率が非常に高いことをふまえ,早期にARTを開始することが多い.現在登録されている6例の子宮体癌症例のうち再発症例は3例であり,内1例は妊娠に至らず根治術を施行している.がん生殖医療において,OncologyとFertilityの専門医師がチームで管理することは,患者への正しい情報伝達と迅速な対応が可能となる点で,患者にとってのメリットが大きい.また,妊孕性温存方法の一つとして卵巣凍結の選択肢が増えたことは大きな進歩であり,若年がん患者のQOLが大きく向上すると考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 229-229, 2011


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