|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第121回学術集会(平成23年6月12日(日))
【一般演題】
当院での単孔式手術の現状について
藪野 彰1), 浅井 哲1), 黒田 恵子1), 春日 義史1), 金 善惠1), 樋口 隆幸1), 村越 行高1), 中田 さくら1), 染谷 健一1), 林 保良1), 岩田 壮吉1), 宮本 尚彦2)
川崎市立川崎病院産婦人科1), 川崎市立井田病院産婦人科2)
【背景】単孔式腹腔鏡下手術は臍部一カ所から手術操作を行うことにより,さらに低侵襲な手術を可能とし,美容的な利点などから婦人科領域で急速な広がりを見せている.当院では年間約300件の腹腔鏡下手術および約300件の子宮鏡下手術を施行しており,単孔式腹腔鏡下手術は2010年6月から当院で導入し,これまでに20件程度行っている.【方法】当院の単孔式腹腔鏡下手術ではスコープは30°硬性斜視鏡を用い,術式により臍部のアプローチ方法をプラットフォーム法とマルチトラカール法に使い分けている.付属器切除術,卵管切除術,嚢腫摘出術にはプラットフォーム法を選択している.子宮全摘術にはマルチトラカール法を選択している.【結果】付属器切除術施行11例では平均腫瘍径73mm(45〜100),平均手術時間62分(47〜96),平均出血量3ml(0〜10)であった.嚢腫摘出術施行2例では平均腫瘍径60mm(40〜80),平均手術時間58分(54〜61),平均出血量15ml(0〜30)であった.子宮全摘術施行2例では平均検体重量252g(210〜294),平均手術時間203分(174〜231),平均出血量630ml(510〜750)であった.全症例で単孔式での腹腔下手術が完遂可能であり,いずれの症例も術中・術後合併症を認めなかった.【結論】プラットフォーム法では摘出検体を容易に搬出する事が可能なために上記術式に選択し,子宮全摘術の時は膣内から子宮の搬出を行うことができるため,筋膜欠損がより少ないマルチトラカール法を選択した.単孔式腹腔鏡下手術は美容的に優れた手術方法であり,今後適応症例を拡大する方針である.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(2)
232-232, 2011
|