関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
仮性メーグス症候群を呈した巨大子宮平滑筋肉腫の一例


小川 達之, 朝田 嘉一, 奈良 政敏, 端 晶彦, 平田 修司
山梨大学医学部産婦人科


良性卵巣腫瘍以外の骨盤内腫瘍でもメーグス症候群と同様の胸腹水を貯留する症例があり仮性メーグス症候群と呼ばれる.巨大子宮平滑筋肉腫に仮性メーグス症候群を呈した症例を経験したので報告する.症例は45歳,0経妊0経産,既往に特記すべき事項なし.若い頃から過多月経は自覚していたが婦人科受診歴はなかった.不正出血は1ヵ月程前より認めていた.初診時に腹部膨隆は明らかで,血液検査ではLDH 912 IU/lと著名な上昇を認め,LDHアイソザイム分画はI・II優位型であった.CT検査で子宮は腫大し30 cm大の腫瘤が3つ結合した形となっており,腫瘤内部は変性を疑う所見だった.CT上は明らかな遠隔転移やリンパ節転移を認めなかったが胸腹水を認めた.MRIは閉所恐怖症のため撮影できなかった.術前診断は子宮平滑筋肉腫疑いとなり手術療法を計画した.深部静脈血栓を認めIVCフィルターの挿入を試みたが,腫瘍によるIVC圧排のため挿入できずヘパリンによる抗凝固療法を行った.全身麻酔下に開腹した.巨大子宮腫瘍は回盲部から横行結腸と癒着しており腹水を2100 ml認めた.腹式単純子宮全摘術,両側付属器切除術,結腸部分切除術,大網部分切除術を施行した.肉眼的残存腫瘍はなかった.摘出子宮は13.2 kgであった.出血量は6386 mlで,術中,術後にRCC 16単位,FFP 10単位,クリオプレシピテート15単位を輸血した.術後はICUで管理し術後3日目に一般病棟へ帰室した.術後速やかに胸腹水は消失した.病理組織診断はLeiomyosarcomaで,Stage Ib(FIGO 2008)で腹水細胞診は陰性であった.術後LDHは正常値化した.追加化学療法としてDocetaxelとGemcitabineの併用療法を行なった.現在再発所見はない.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 232-232, 2011


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会