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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
飛び込み分娩を防ぐ〜妊婦健診受診のために,受診前に出来る工夫〜


林 真理子, 福岡 真弓, 奥田 亜紀子, 河村 美玲, 榊原 咲弥子, 小澤 克典, 砂倉 麻央, 大井 理恵, 有澤 正義, 湯原 均, 阿部 史朗, 宮澤 豊
東京都立大塚病院産婦人科


昨今,いわゆる「飛び込み分娩」など妊婦健診をほとんど受診することなく分娩に至るケースが増加し,社会問題となっている.当院における「飛び込み分娩」について調査し,その傾向や背景から今後の対策について検討した.2009年1月〜2010年12月の2年間に当院で経験した「飛び込み分娩」は21例で,初産率が57%と高く,20代前半までの比較的若年者が31%を占めていた.母体の喫煙率は42%と高かった.既往帝切後妊娠が2例,妊娠高血圧症候群合併妊娠が1例,早産または妊娠週数不明だが早産が疑われる例は4例だった.児の平均出生体重2869g,Apgar score は1 分8.2,5 分8.8 と他の妊娠管理された分娩と大差なかった.未受診の理由としては「経済的理由」が13 例と最も多く,その他には経産婦では「仕事や育児による多忙」,初産婦では「妊娠に気が付かなった」「産むかどうか悩んでいた」といった理由が目立った.初産婦で90%,経産婦でも70% が未婚であり,親や友人など頼る相手がおらず,社会的に孤立しているケースが目立った.初診時の無保険率は80% だった.以上より,比較的若年妊娠,初産,未婚,無保険は未受診のリスクと考えられる.このような妊婦については,医療者も積極的に介入し,場合によっては福祉につなげる必要がある.しかし,現状では受診に至らなければ医療・福祉ともに介入の方法がない.「飛び込み分娩」増加に歯止めをかけるには,妊娠前や妊娠早期の段階での教育や情報・支援提供が必要不可欠である.医療者も病院の枠を超え,積極的に介入していくべきであり,その方法について検討していきたい.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 236-236, 2011


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