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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
外陰部膿瘍を認め,診断に苦慮した性器ヘルペスの1例


谷口 華子, 野村 可之, 中島 泉, 松崎 結花里, 瀬川 恵子, 納田 容子, 山本 葉子, 松永 竜也, 杉浦 賢
横須賀共済病院産婦人科


【継言】性器ヘルペスは,単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus;HSV)感染症であり,性器に浅い潰瘍または水疱性病変を形成する疾患である.一般的に初感染は再発に比べ,発熱などの全身症状を伴い皮疹も重症である.今回我々は糖尿病に合併し,膿瘍形成に至った初感染の性器ヘルペスを経験したため報告する.【症例】44歳,4経産.1型糖尿病にて当院通院中.10日前より外陰部痛を自覚,3日前より発熱,外陰部膿瘍を認め当院を受診した.診察時外陰部は発赤を伴い,腫瘤形成をしているかのように腫脹,表面は膿瘍形成を認めた.MRI検査では腫瘤性病変は認めず,両側鼠径リンパ節腫大を認めるのみであった.診察上,小陰唇にkissing ulcer,大陰唇に水疱を認め,口腔内では硬口蓋,舌にアフタ性潰瘍,下顎部に痂皮化した紅斑を認めた.肉眼所見よりHSV感染を疑いアシクロビル点滴,ビダラビン軟膏塗布,適宜外陰部洗浄を行い腫脹,疼痛は改善した.検査結果は8日後,HSV IgM(+),HSV IgG(−),細胞診にてウイルス感染細胞を認め,HSV 感染による性器ヘルペスと診断した.【考察】コントロール不良な1 型糖尿病を合併し典型例よりも症状が重篤であり診断に苦慮したが,MRI 検査により腫瘤性病変を否定できたためHSV 感染を疑うことができた.今回の症例は既往に性器ヘルペスはなく,全身症状を伴い局所所見も重症であったため初感染と考えられた.性器ヘルペスの典型例では病歴と臨床症状である程度診断可能といわれるが,初感染で特に易感染性の合併を有する場合は重篤になりやすく,注意を要する.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 242-242, 2011


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