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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
回復性骨幹端異形成症の同胞発症が疑われる1例
渡辺 英樹, 神保 覚子, 伊藤 朋子, 尾堀 佐知子, 榎本 紀美子, 三原 卓志, 石川 浩史
神奈川県立こども医療センター産婦人科
【緒言】骨幹端異形成症は,四肢の長・短管骨の骨幹端異形成を特徴とし,扁平椎や骨端には異常を認めない疾患群である.このうち回復性骨幹端異形成症(Metaphyseal anadysplasia)はまれな疾患であり,文献上は現在まで4例程度の報告があるにすぎない.骨幹端の異形成は乳児期に著しく,幼児期には軽快し,学童期までにはほぼ正常化するのが特徴である.低身長が残存する1型,身長は正常となる2型があり,それぞれ常染色体優性遺伝および常染色体劣性遺伝とされている.また原因はMMP(Matrix metalloproteinase)9,MMP13の変異であると報告されている.今回,第1子が回復性骨幹端異形成症と診断され,第2子も胎児診断で同疾患が疑われている症例を報告する.
【症例】24歳,第1子は胎児期より四肢の短縮を認めた.出生時に軽度低身長(45cm),下肢の湾曲および大腿と上腕の短縮を認め,のちに回復性骨幹端異形成症と診断された.3歳現在で身長90.9cmとcatch upしつつある.第2子も妊娠28週時より大腿骨(FL)の短縮(40.9mm=%FL:0.76)及び大腿骨遠位端の膨隆を認め,現在妊娠経過観察中であるが,第1子と同疾患の可能性が高いと考えている.
【結語】回復性骨幹端異形成症の同胞発症が疑われる症例を経験した.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
303-303, 2011
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