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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
分娩後に診断し得た鎖骨・頭蓋異形成症の一例


水口 雄貴, 永井 宣久, 飯島 里美, 福岡 慧子, 櫻井 真由美, 倉崎 昭子, 松村 聡子, 持丸 佳之, 東條 龍一郎, 荒瀬 透, 大石 曜, 中野 眞佐男
けいゆう病院産婦人科


【緒言】胎児骨格系疾患は比較的稀であるが,遺伝的なものや,中には致死的なものもあるため,早期診断が重要である.多くは大腿骨の短縮が診断のきっかけとなる.今回我々は鎖骨・頭蓋異形成症の一例を経験したので報告する.【症例】25歳,1回経妊1回経産.既往歴に先天性骨短縮症(病型不詳),家族歴に先天性骨短縮症(実母)あり.今回自然妊娠,近医で妊婦健診通院していた.妊娠21週頃より大腿骨長の発育不全が認められ,妊娠27週0日に周産期管理目的で当院を紹介受診した.超音波検査上,大腿骨長の短縮と頭蓋形態はクローバー葉様が疑われる所見が認められた.骨形成不全症の疑いもあったが,胸囲正常,その他合併異常なく,外来で経過観察として2週間に一度妊婦健診.その後も長管骨パラメーター(大腿骨長,上腕骨長)は,−2SDなるも,成長曲線と平行な伸びを維持.胸部周囲長も,正常下限の伸びを示していた.妊娠37週1日に選択的帝王切開術(適応:前回帝王切開)にて女児分娩.出生後の診察で頭頂骨を触知しなかったため生後3D-CT施行.頭頂骨・蝶形骨大翼の欠損と鎖骨の低形成を認め,鎖骨・頭蓋異形成症と診断した.【結論】鎖骨・頭蓋異形成症は非常に稀な疾患ではあるが,同じ家族内発生でも,重症度などの表現型に多様な幅がある.本症例のように家族歴を認め,病型が不明な場合には本疾患を念頭に入れて,出生前に一般的スクリーニングに加え頭部その他の部位についても超音波検索を行う必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 303-303, 2011


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