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		第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
  
		【一般演題】 
		妊娠27週で糖尿病性ケトアシドーシスを発症し2型糖尿病と診断され子宮内胎児死亡を来した1例
  
		高島 明子, 萬来 めぐみ, 安田 豊, 矢野 ともね, 内出 一郎, 竹下 直樹, 木下 俊彦 
		東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科
  
		  
		【緒言】2型糖尿病合併妊娠の糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)発症頻度は0.45%と報告されており,比較的稀な病態である.今回妊娠糖尿病(GDM)のスクリーニング検査が陰性であったにも関わらずDKA発症により2型糖尿病と診断され,子宮内胎児死亡を来した1例を経験したので報告する.【症例】症例は25歳,1経妊1経産,前回妊娠経過に異常なし.糖尿病の家族歴なし.妊娠17週1日の随時血糖99g/dl,50g経口ブドウ糖負荷試験(GCT)は100mg/dlと異常を認めなかった.妊娠27週0日に嘔気,軽度の呼吸困難,背部痛,腹緊を主訴に救急外来を受診した.血液検査で高血糖(497mg/dl),代謝性アシドーシス(pH7.240,PCO2 12.2mmHg,BE-19.4mmol/L),尿ケトン体3+が認められた為,DKAと診断しICUにて補液,インスリン持続静脈注射,電解質補正を開始したが27週2日に子宮内胎児死亡を確認し,27週3日に死産分娩となった.産褥1日目に血糖は安定し産褥12日目に退院となった.HbA1c8.0%,抗GAD抗体,IA-2抗体陰性であり,本症は発症経過から非自己免疫性劇症1型糖尿病を疑われたが,血中C-ペプチド1.1ng/ml,膵外分泌酵素の上昇を認めず,2型糖尿病と診断された.【考察】当院ではGDMスクリーニングとして16~20週で50gGCTを施行し,随時血糖100mg/gl以上又はGCT後1時間値140mg/dl以上をスクリーニング陽性とし,20~24週で75gOGTTを施行している.今回の症例を経験してGDM及び糖尿病合併妊娠を見逃さない為のスクリーニング検査の時期や検査法(HbA1cの測定など)について再考すべきと考えられた.
 
  
		関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
		306-306, 2011 
		 
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