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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
帝王切開時に摘出した子宮腫瘤を契機に発見された卵巣癌の一例


長崎 澄人1, 田岡 英樹1, 安達 知弘1, 福田 麻実1, 山本 泰弘1, 浅川 恭行1, 大原関 利章2, 高橋 啓2, 久具 宏司1, 久布白 兼行1
東邦大学医療センター大橋病院産婦人科1, 東邦大学医療センター大橋病院病理2


今回我々は,帝王切開の際に子宮筋腫を疑い摘出された子宮腫瘤の病理組織検査にて腺癌と診断,最終診断が卵巣漿液性腺癌であった1例を経験したので報告する.症例は39歳,1経妊1経産.近医にて妊娠40週5日,NRFSのため帝王切開術を施行.同時に子宮筋腫様腫瘤があり腫瘤摘出術が施行された.腫瘤の病理組織診断は腺癌であったため,精査加療目的で当院へ紹介受診となった.当科施行の子宮腟部細胞診はNILM,子宮内膜細胞診は陰性で子宮内膜組織診にも悪性所見を認めなかった.CT,MRI検査も異常所見は認めず,腫瘍マーカーはCA125:51.6U/ML,CA19-9:13.0U/ML,TPA:23U/MLであった.腫瘤部位より子宮体部悪性腫瘍と診断.腹式子宮全摘術,両側付属器摘出術,大網切除術,骨盤・傍大動脈リンパ節郭清術を施行した.開腹所見は,子宮体はやや大,両側付属器はほぼ正常大,腹水少量貯留,肉眼的に明らかな腹膜播種の所見は見られなかった.摘出検体の病理組織診断は,両側卵巣と子宮頸部に低分化型漿液性腺癌の所見を認め,また後腹膜リンパ節転移は陰性であった.腹水細胞診,腹腔内擦過細胞診は陰性であった.以上の病理所見から,卵巣漿液性腺癌pT2apN0pM0,FIGO stageIIAと診断した.術後TC療法を6クール施行し,施行後12カ月が経過するが,現在のところ再発徴候を認めていない.本症例は,子宮腫瘤の病理検査結果が腺癌であり,術前に子宮体部悪性腫瘍が疑われたが,摘出検体にて両側卵巣と子宮頸部に漿液性腺癌が認められ,その一方で子宮内膜には腺癌は見られず,原発巣の同定に苦慮した症例であった.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 310-310, 2011


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