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<< 学会誌へ戻る 短期間で急激な体重増加が先行し，その後に重症妊娠高血圧症候群（PIH）に至った2症例を報告する．症例1：39歳，0経妊0経産．当院での妊娠経過は順調であった．34週1日の妊婦健診時に，3週間で8kgの体重増加，全身浮腫，尿蛋白2＋，血圧137/80mmHgを認め，PIHの疑いで入院管理となった．妊娠34週3日に尿蛋白2＋，血圧160/90mmHg，胸部X線で両側の肺水腫と乏尿を認め，重症PIHの診断で帝王切開を施行した．術前から術後24時間まで子癇予防に硫酸マグネシウムを使用した．術後2日目より利尿薬並びに経口降圧薬を使用し，血圧は徐々に低下した．全身浮腫は徐々に改善したが，胸部X線における両側胸水は持続し，術後約2週間まで湿性咳嗽が遷延した．その後は良好に経過し術後18日目に退院した．症例2：42歳，1経妊0経産．二絨毛膜二羊膜双胎で外来管理されていた．順調に経過していたが，34週の妊婦健診時に一週間で4.4kgの著明な体重増加を認め管理目的に入院した．入院後の採血で血小板8.2万/μLと低値であった．35週6日に一日尿量が340mlと乏尿を認め，全身浮腫著明となった．36週0日に血圧が160/73 mmHgまで上昇し，重症PIHの診断で分娩の方針となった．産科DICスコアは10点で術中に輸血と抗DIC療法を施行した．術後1日目より尿排出良好となり全身の浮腫は改善した．術後経過良好にて術後7日目に退院となった．浮腫は妊娠高血圧症候群の診断基準の項目からは除外されている．浮腫や体重増加が急激に出現した症例の予後を再評価し，診断基準や管理方針を含めた再検討が必要と思われる． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 318-318, 2011 |
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