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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
ミニメトロ・ネオメトロを利用した分娩誘発法の有効性―分娩誘発146例の後方視的検討―
松本 直樹, 長田 まり絵, 深谷 普子, 鈴木 永純, 松本 智恵子, 高橋 幸男
深谷赤十字病院産婦人科
[緒言]日本ではmisoprostol等が利用できず分娩誘発の標準的方法は確立していない.当院では主に次の方法で誘発を行っている.頸管熟化良好であればoxytocin(OX)を点滴する.熟化不十分であれば分娩目標日の前日午後にミニメトロ(MM)またはネオメトロ(NM)を挿入し翌朝からOXを開始する.今回これらの有効性を検証した.[方法]過去の単胎分娩誘発例146例を対象とした.転帰として経腟分娩に至った場合を誘発成功とした.初回に使用したメトロによってMM群,NM群,メトロなし群に分けた.各因子と誘発成功・総誘発時間(メトロ挿入またはOX開始から分娩まで)との関連についてlogistic回帰,Kaplan-Meier法,Cox hazards modelを用い検証した.[成績]初産64%.正常分娩73%,吸引鉗子12%,帝王切開15%.誘発適応は予定日超過40%,前期破水31%.NM群68%,MM群24%,メトロなし群8%.分娩目標日前日にメトロを使用したのは86%.誘発成功率85%,平均総誘発時間22時間.Bishopスコア(BS)別(-3,4-5,6-7,8-)にメトロ使用率100,97,92,53%,誘発成功率64,83,95,100%,平均総誘発時間28,23,18,16時間であった.誘発不成功の粗オッズ比は初産7.0,BS3以下3.4.同調整オッズ比は初産11,BS3以下3.5,児体重3750g以上9.1.開始24時間後のMM群・NM群の累積成功率は初産45%・64%,経産83%・77%で初産では有意差を認めた.多変量Coxでは初産,BS3以下で有意に成功率が低かったが,MM群とNM群で差はなかった.有害事象として誘発後発熱17%,新生児仮死8%,NICU入院1%を認めたがメトロとの関連はなかった.[結論]この分娩誘発法の有効性を示した.またNMに明らかな優位性は認めず頸管に適合すればMMを使用することで十分であろう.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
323-323, 2011
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