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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
子宮筋腫合併妊娠における出血量のリスク因子の検討
岡山 潤, 尾本 暁子, 井上 万里子, 田中 宏一, 長田 久夫, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院産婦人科
【目的】妊娠・出産の高齢化に伴い子宮筋腫合併妊娠が増加している.分娩時には出血量が多くなることがあり,適切な対応が必要である.今回われわれは,子宮筋腫合併妊娠について分娩時大量出血に影響を及ぼす因子の検討を行った.【対象】2007年1月〜2011年6月に分娩に至った子宮筋腫合併妊娠134症例のうち,双胎妊娠2症例・前置胎盤3症例・カルテ記載が不十分であった1症例の計6症例を除く128症例を検討症例とした.【方法】日本産科婦人科学会周産期委員会で調査された単胎分娩の90パーセンタイルの出血量を超える大量出血に影響を及ぼす因子として<1>分娩方法,また子宮筋腫については<2>種類(漿膜下とそれ以外)<3>位置(下部と中央以上)<4>個数(4個未満と4個以上)<5>最大径の大きさ(10cm未満と10cm以上)<6>直径の合計(10cm未満と10cm以上)<7>胎盤に接した筋腫の大きさ(なしと7cm未満と7cm以上)<8>筋腫周囲の血管像の有無,の8項目について後方視的にロジスティック回帰分析を行った.【結果】全分娩の分析では<1・2・7・8>の因子が抽出され,R2は0.11であった.帝王切開(41症例)の分析では<3・5・7>の因子が抽出され,R2は0.23であった.経腟分娩(87症例)の分析では<2・3・8>の因子が抽出され,R2は0.07であった.【考察】上記因子の存在する症例について分娩時出血量が多くなることを想定して,十分なインフォームドコンセントの上での自己血貯血,人員確保のため誘発分娩の検討や分娩後の子宮収縮抑制剤の積極的使用を行う必要がある.また,帝王切開症例と比較し経腟分娩症例ではR2が低く,8項目以外に影響を及ぼす因子についての検討が必要と考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
324-324, 2011
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