関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
周産期に3回の開腹手術を行った骨盤内膿瘍の1例


上田 麗子1, 宮腰 藍衣1, 佐藤 加奈子1, 平田 豪1, 竹内 梓1, 笠井 絢子1, 井畑 穣1, 茶木 修1, 中山 昌樹1, 竹島 和美2, 岩田 亜貴子3, 望月 昭彦4
横浜労災病院産婦人科1, 横浜市立大学産婦人科2, 横浜市南部病院産婦人科3, 横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター4


骨盤内炎症性疾患(PID)の中でも,骨盤内膿瘍は炎症が拡大・重症化したもので,抗菌剤による保存的治療のみでは改善せず,外科的治療が必要となる症例もある.今回我々は妊娠17週で骨盤内膿瘍を発症し,保存的治療で症状改善せず,分娩前および分娩後に計3回の外科的治療を行い,治療に苦慮した症例を経験した.【症例】39歳,1経妊0経産.既往歴36歳より混合性結合組織病(MCTD)でPSL5mg内服.37歳内膜症性嚢胞と左卵管留膿腫で両側卵巣嚢腫核出術・左卵管切除術施行.IVF-BT妊娠し初期より当院で妊婦健診.妊娠17週5日下腹部痛を主訴に来院した.切迫兆候はなく,WBC13800/μl,CRP6.5mg/dlと炎症反応上昇を認め緊急入院となった.尿路感染症を疑い抗菌剤投与による保存的治療を試みたが症状改善なく,MRIを施行したところ右卵巣膿瘍を認め,妊娠18週1日右卵巣膿瘍摘出術・ダグラス窩膿瘍洗浄ドレナージ術施行した.術後まもなく再燃し,発熱持続およびMRI上膿瘍遺残を認めたため,妊娠18週5日再度初回同様の手術を施行した.培養検査では大腸菌・緑膿菌・腸球菌が検出された.抗菌剤はMEPM,EC,VCM,ABPC/SBT,PIPC/TAZ,LZDを使用した.妊娠26週0日破水後に経腟分娩で740gの女児を出産した.出産後はCLDM+CPFX投与で状態安定していたが,産後20日目急激な下腹部痛およびショック状態を呈した.緊急開腹術で直腸穿孔,汎発性腹膜炎を認め,直腸穿孔閉鎖術・人工肛門造設術を施行し,術後34日目に退院となった.今後再発の可能性もあり,原因究明および治療においてさらなる検討が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 329-329, 2011


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会