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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
両児に外陰部潰瘍を認め,ベーチェット病と診断された一卵生双生児の一例
植木 典和, 金田 容秀, 河野 彩子, 木村 美葵, 須賀 新, 寺尾 泰久, 加藤 聖子, 竹田 省
順天堂大学産婦人科
【緒言】ベーチェット病は口腔粘膜のアフタ性潰瘍,皮膚症状,眼部ぶどう膜炎,外陰部潰瘍を主症状とし,急性炎症性発作を繰り返すことを特徴とする疾患である.アジア人に多く,特定の遺伝的背景のもとに外的環境因子が作用することによって発病に至ると考えられている.HLA-B51が疾患感受性因子として挙げられ,本邦においてもHLA-B51保有者の罹患相対危険率は7.9と極めて高い.しかし家族内発症の頻度は約2%と稀である.今回,我々は一卵性双生児両児に,ベーチェット病を同時発症した一例を経験したので,報告する.【症例】13歳女児.左大陰唇から肛門にかけての潰瘍性病変を主訴に,当科紹介受診.外陰ヘルペスを疑い,経口アシクロビルによる治療が開始されたが,発熱と外陰部潰瘍を繰り返したため,加療目的のため入院.口腔内潰瘍の既往やざ瘡を認めたため,HLAタイピングを施行しHLA-B51陽性,眼症状を認めない不完全型ベーチェット病と診断した.一卵性双生児の妹も外陰部潰瘍,口腔内アフタ,ざ瘡,関節痛を認め,HLA-B51陽性であり,不完全型ベーチェット病と診断した.両児とも経口コルヒチンによる治療で寛解した.【結語】一卵性双生児両児のベーチェット病同時発症を経験した.若年女性に繰り返す外陰部潰瘍を認めた場合,外陰ヘルペスやLipschutz潰瘍とともにベーチェット病の精査も必要であると考えた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
332-332, 2011
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