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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
子宮頸部上皮内癌でLEEP術後,残存病変に対しATH+BSOを行ったところ著明なvesselpermeationを認めた一症例


塙 真輔, 田中 圭, 森 裕介, 計良 和範, 杉田 達哉, 小幡 新太郎, 上杉 健哲
成田赤十字病院産婦人科


症例は57歳女性.4経妊2経産(自然分娩2,人工妊娠中絶2)既往歴:皮膚筋炎でステロイド内服中.また糖尿病,高血圧で内服治療中.現病歴:前医より子宮頸部スメアIIIb,組織診は上皮内癌の診断で紹介された.当院紹介時,超音波検査,腟鏡,内診上特に異常認めず,子宮頸部上皮内癌の診断でLEEP(loop electrosurgical excision procedure)行ったところ病理検査はsevere dysplasia & carcinoma in situの診断であり,頸管部の切除組織にmoderate dysplasiaが認められた.術後2カ月後フォローの断端スメアで細胞診Class4を認めた.そのため残存病変に対しATH+BSOを追加で行った.術中右外腸骨リンパ節に著名な腫大をみとめた.皮膚筋炎の炎症性変化のためと考えたが念のためサンプリングを行った.子宮,卵巣の標本において肉眼上は明らかな腫瘍性病変は認めなかったが,病理検査では子宮頸部にsevere dysplasia〜CISの像と,局所的には浸潤像も認めた.浸潤は最大2mmで広がりは8mm程度であったが,癌は著明な脈管浸潤をきたしており標本すべてにリンパ管,静脈ともに多数の癌塞栓を認めた.また子宮体部の漿膜付近,卵管,卵巣の静脈,リンパ管内に多数の癌塞栓を認めサンプリングしたリンパ節への転移も認めた.子宮頸癌pT2b(UICC1997)と診断し現在は放射線治療を追加で行っている.本症例は子宮卵巣ともに肉眼的には異常は認めないものの,脈管に多数の癌塞栓を認めるという浸潤形態をとっていた.子宮頸癌においてこのような浸潤を示す病理所見は珍しく,また,上皮内癌への対応を熟慮した一症例であった.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 335-335, 2011


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