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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
癌性髄膜症を来たした子宮頚部腺癌の1例
高橋 未央, 瑞慶覧 美穂, 小暮 佳代子, 片貝 栄樹, 伊藤 郁朗
高崎総合医療センター産婦人科
癌性髄膜症の発生率は全脳転移の2.8%とされ,その中でも婦人科癌原発の癌性髄膜症の発生は非常に稀とされている.我々は子宮頸部腺癌に合併した癌性髄膜症を経験したので,文献学的考察を加えここに報告する.【症例】49歳【妊娠分娩歴】2経妊2経産【既往歴】10歳 虫垂炎手術【現病歴】平成22年9月性器出血のため受診,子宮頸部に腫瘤形成を認めた.組織診はadenocarcinomaであり,子宮頸部腺癌2b期と診断.CTで骨盤内・傍大動脈・肺門・Virchowリンパ節転移を認め,TC療法の方針とした.平成23年1月TC4回目施行時に原因不明の右前腕のしびれ,右肩甲部の疼痛に随伴して嘔気の症状出現.TC5回施行後に症状の増悪あり,頸部MRI施行するも明らかな病変指摘できなかった.同年3月髄液検査を施行すると頭蓋内圧亢進あり,髄液細胞診はadenocarcinomaであり,癌性髄膜症と診断.脳MRIで小脳,脚間槽に髄膜播種を疑わせる所見を認めた.症状改善したため積極的治療は行わない方針となったが,同年4月意識障害と痙攣が出現し,6日後に死亡した.神経学的症状を呈した婦人科癌患者に対しては,癌性髄膜症の可能性も含め検討することが必要と思われた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
336-336, 2011
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