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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
止血困難な子宮頸管polypとして当科紹介された子宮頸部小細胞癌の1例
和氣 清美, 野平 知良, 小野寺 高幹, 清水 巴菜
東京医科大学病院八王子医療センター産婦人科
今回我々は止血困難な子宮頚管polypとして紹介されたが精査の結果小細胞癌であった症例を経験したので報告する.不正性器出血を主訴に近医受診.出血源と思われた子宮頚管polyp切除後に止血困難となり当院に搬送.内診で筋腫分娩様の腫瘍の突出を認め,組織診でneuroendocrine carcinoma(small cell carcinoma)の診断であった.内診上,FIGO Stage3b期,CT,MRI上,子宮頚部腫瘍疑われた.東京医科大学病院紹介受診となりNAC,手術の方針となった.骨盤内除臓術+PLN+PAN+人工肛門造設術+尿管皮膚瘻造設術施行.術後の病理結果はsmall cell carcinoma,pT4N1Maであった.術後化学療法としてCPT-NDPを開始.その後当院での化学療法継続目的に紹介となった.カンプト+ネダプラチン(以下CPT-NDP)を3コース終了後の効果判定で腫瘍は増大傾向のためレジメンをタキソール+カルボプラチン(以下TC)に変更.TCを3コース終了後の効果判定で腫瘍は増大傾向であった.その後,ドセタキセル+ゲムシタビン(以下DOC+GEM)を検討していたが全身状態悪化し施行できず.御本人,ご家族の意向で緩和ケアに移行し永眠された.一見,子宮頚管polypや筋腫分娩のようにみえても低確率ながら本症例のような悪性腫瘍も存在することを常に念頭におき,初診時の問診による出血や症状の経過確認が重要であると思われた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
337-337, 2011
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