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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
平滑筋,性索への分化を伴う低悪性度子宮内膜間質肉腫の1例
崎尾 昇子, 竹本 葉, 村瀬 佳子, 池本 裕子, 藤岡 志水, 矢田 昌太郎, 石黒 共人, 氏平 崇文, 太田 剛志, 長野 宏史, 荻島 大貴
順天堂大学医学部附属練馬病院産婦人科
【緒言】低悪性度子宮内膜間質肉腫(ESS-LG)は子宮内膜間質細胞に類似した細胞よりなる肉腫で,子宮筋層ことに脈管を侵襲し,ときに子宮外の脈管へ進展する.今回我々は繰り返し再発する子宮腫瘍より最終的にESS-LGの診断に至った1例を経験したので報告する.【症例】40歳,0経妊0経産.7年前に前医にて子宮筋腫核出術施行,4年前に当院にて再発子宮筋腫に対しGnRHa6コース施行した後,再発子宮筋腫核出術施行され病理診断は富細胞平滑筋腫であった.H22年下腹部痛を主訴に当院受診,骨盤内にMRIにて造影を伴う辺縁分葉状な巨大腫瘍及び子宮筋腫再発を認めた.PETにて腫瘍内部に集積亢進を認めたため悪性腫瘍を疑いH23年1月 腹腔内腫瘍摘出術及び大網切除術施行.ESS-LGの診断に至り,同年3月 単純子宮摘出術及び両側付属器切除術施行した.再発時の腫瘍は病理組織学的に4年前の筋腫と同様の形態を示したが,核異形や核分裂像が強くみられた.また免疫組織学的に内膜間質マーカーCD10がび慢性に陽性を示し,MIB-1 indexが11%に増加していた.生物学的動態からみても再発・播種を繰り返しており,7年間の経過の中でESSへの形質転化及び悪性度が増していった腫瘍と考えられた.【考察】ESS-LGと富細胞性平滑筋腫では鑑別が問題になり,再発を繰り返す子宮筋腫ではESS-LGも念頭においた治療および経過観察が重要と考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
339-339, 2011
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