関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
術前MRIで子宮体癌の筋層浸潤が疑われたAPAMの1症例


田中 可子1, 飯塚 千祥1, 岡田 裕美子1, 宮上 哲1, 宮本 真豪1, 市原 三義1, 石川 哲也1, 森岡 幹1, 長塚 正晃1, 岡井 崇1, 九島 巳樹2
昭和大学医学部産婦人科1, 昭和大学医学部病理2


症例は37歳,0回経妊,未婚.月経周期は24日・整.既往例,家族歴に特記すべきことなし.子宮がん検診目的に近医を受診し,子宮内膜の肥厚と不整を認めたため当院へ紹介された.初診時の内膜細胞診Class V,全身麻酔下に施行した全面掻爬ではAtypical endometrial hyperplasia(AEH),complexであった.MRI所見では子宮前壁筋層が不整でJunctional zoneが一部欠損しており筋層浸潤が疑われたが,子宮腺筋症の所見もあり確定診断には至らなかった.患者に強い妊孕性温存希望があったため,厳重な経過観察のもと高容量黄体ホルモン療法(酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)600mg/day)を開始した.1か月後に施行した外来掻爬では悪性細胞は検出されなかったが,MRI上の浸潤を疑う所見は残存していた.ホルモン療法を3ヶ月施行し,再度全面掻爬術を施行した結果AEHを認め,MRI所見も変わらず,ホルモン療法の効果は不十分と判定した.患者の同意を得て子宮全摘を含む子宮体癌根治手術の方針とした.術後病理診断はAtypical polypoid adenomyoma(APAM)with focal atypical endometrial hyperplasiaで,筋層浸潤は組織学的には陰性であった.本症例は治療開始前の子宮内膜全面掻爬でAPAMと診断することは困難であり,MRI所見上は内膜と筋層との境界が不鮮明で子宮体癌の筋層浸潤と類似していた.高容量MPA療法が無効であったため子宮全摘出術を行い,その結果上記と診断し得た.本例の経験を踏え,妊孕性温存希望があるAPAM症例の術前評価と管理について,文献的考察を踏まえて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 341-341, 2011


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会