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<< 学会誌へ戻る 【緒言】今回我々は術前に静脈血栓症を合併する子宮内膜間質肉腫の診断で手術施行したところ，腫瘍塞栓であった1例を経験したので報告する．【症例】46歳．妊娠・分娩歴：4経妊3経産（1回自然流産，3回正常経腟分娩）持続する性器出血を主訴に近医を受診し，外子宮口から突出する腫瘤を認め，当院に紹介受診となった．外子宮口より約3cmほどの脆弱な易出血性の腫瘤を認め，変性した粘膜下筋腫であると思われた．画像の評価にて腫瘍は子宮底部より発生しており，豊富な血流を認めた．このため子宮鏡施行後，試験掻爬術を行い低悪性度子宮内膜間質肉腫と判明した．全身CTにて，遠隔転移やリンパ節腫大は見られないものの，左内腸骨静脈内，右卵巣静脈内に広範囲にfilling defectを認め血栓症を疑った．超音波検査では下大静脈から下肢深部静脈にかけての血栓を認めなかったが，CT所見及びMRIで子宮周囲の静脈叢が著明に拡張していることから血栓症を否定できず，インフォームド・コンセントを得て，術前に一時的な下大静脈フィルターの挿入を行い，単純子宮全摘術・両側付属器切除術を施行した．子宮は13×10cmで，体部後壁から漿膜面に突出して約4cmの腫瘍が隆起していた．両側卵巣固有靭帯・骨盤漏斗靭帯は著明に肥厚し，骨盤漏斗靭帯を結紮・切断した際には卵巣静脈内に腫瘍が充満していた．両側子宮頸部の処理の際も子宮静脈内に腫瘍を認めた．病理診断は低悪性度子宮内膜間質肉腫で広範囲の脈管侵襲を認めた．【結語】子宮内膜間質肉腫は傍子宮の靭帯や付属器に経脈管性に浸潤，特に静脈浸潤することが多いとされている．本例も，著明な脈管侵襲を認めており文献的考察を加えて報告する． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 342-342, 2011 |
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