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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
術前診断が困難であった卵巣硬化性間質性腫瘍の1例
簡野 康平, 信田 政子, 篠田 真理, 田島 敏樹, 池田 仁恵, 平澤 猛, 村松 俊成, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学医学部専門診療学系産婦人科
卵巣硬化性間質性腫瘍(sclerosing stromal tumor;SST)は,性索間質性腫瘍に含まれる稀な良性充実性腫瘍で,発生頻度はその約2〜6%を占める.若年層に好発するとされ,主要症状は月経不順,腹部不快感,腹水貯留とされている.今回,術前に悪性腫瘍との鑑別が困難であった卵巣硬化性間質性腫瘍の1例を経験したので報告する.症例は,22歳,0経妊0経産,月経周期28日,整.3日前より下腹部痛が出現したため近医受診.CT検査にて骨盤内腫瘍を指摘され精査目的で翌日当院紹介となった.内診上,骨盤内に新生児頭大で可動性不良の腫瘤を触知した.MRI検査では,T2WIで増強効果のある不整な壁肥厚を伴う10cm大の多房性嚢胞性腫瘍を認めた.子宮腟部細胞診はclassI,腫瘍マーカーはCEA 0.9ng/ml,CA125 33.0U/ml,CA19-9 17.6U/ml,SCC 1.0ng/mlであった.左卵巣腫瘍の診断のもとに開腹手術を施行した.腹水は黄色漿液性で約20ml,左卵巣は黄乳白色弾性硬,表面は平滑,約15cm大に腫大していた.子宮および対側付属器に異常所見は認めず,播種所見も認めなかった.術中迅速診断は線維腫で悪性所見を認めず,左付属器切除術を施行した.術後病理組織検査では,線維芽細胞,円形細胞からなる細胞成分に富む部分が,細胞成分に乏しい浮腫性組織で隔てられ分葉状構造を示しており,免疫組織染色で平滑筋アクチンが陽性となりSSTと診断された.術後経過に問題はなく,現在外来にて経過観察中である.画像診断で悪性腫瘍が疑われるものの若年性で腫瘍マーカーが正常の場合は,SSTも鑑別疾患の一つとして念頭に置くべきである.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
345-345, 2011
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