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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
術後血腫と膿瘍はCT値で鑑別できる〜卵巣嚢腫摘出術後に再手術を要した症例の反省から
佐藤 加寿子, 難波 聡, 高橋 幸子, 大塚 純一, 西林 学, 岡垣 竜吾, 板倉 敦夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科
術後合併症としての血腫と膿瘍は超音波検査では区別しにくく,臨床症状や経過をもとに診断しなければならない場合が多い.今回我々は,8cm大の左卵巣皮様嚢腫に対して腹腔鏡下嚢腫摘出術を施行した翌日に39℃の発熱あり術後血腫と診断したが,その後も37℃台の微熱とCRP 9mg/dl程度が持続するため術後13日目に腹腔鏡下に再手術を施行したところ,同部位に膿瘍形成を認めた症例を経験した.その反省から,画像診断による術後血腫と膿瘍の鑑別法について考察した.【方法】当科の過去の卵巣出血13症例と付属器膿瘍16症例の病変部CT値を検討した.【結果】卵巣出血例は全て40HU以上,膿瘍症例は全て40HU未満であった.【考察】出血は時期によってCT値が異なることも多いが,新鮮出血に限れば高いCT値を示す場合が多く,膿瘍とおおむね鑑別可能ということになる.本症例の膿瘍部分のCT値を確認したところ20HU程度であった.したがって本症例もCT値を基に早期に膿瘍と診断することが可能であったと思われる.電子診療録の普及に伴い各診療科が病変のCT値を簡便に測定できるようになったことから,このCT値による鑑別法は有用性を増している.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
348-348, 2011
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