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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
腟内異物の長期留置により膀胱腟瘻をきたした一症例
瀬川 恵子, 納田 容子, 中島 泉, 松崎 結花里, 山本 葉子, 野村 可之, 松永 竜也, 杉浦 賢
横須賀共済病院産婦人科
腟内異物として一般臨床で遭遇するのはタンポンやコンドームの残存といったものが多いが,自慰行為やいたずらの場合は思わぬ異物に遭遇するケースがある.羞恥心から長期間放置されてしまうことも多く,様々な合併症を併発して治療に苦慮したケースがこれまでにいくつか報告されている.今回われわれは,腟内異物を5年間放置し,膀胱腟瘻による尿失禁を伴いながらも未受診であった症例を経験したので報告する.【症例】71歳女性,3経妊3経産.5年前に香水瓶を自身で挿入したところ,瓶の蓋が抜去できなくなった.その数ヵ月後には尿失禁の症状が出現していたが,加齢によるものだと考え放置されていた.今回,下腹部痛を主訴に救急外来受診し,CT検査をしたところ腟内異物が判明した.内診では,腟口より2-3cmの部位に石灰化を伴った腟内異物を認めた.異物は膀胱側へ陥入しており,同部位より明らかな尿流出があり膀胱腟瘻を認めた.用手的な抜去が困難であったため,全身麻酔下にて抜去術を行い,その後膀胱鏡にて瘻孔部分を確認しながら経腟的に閉鎖術を行った.【結語】腟内異物は本人の羞恥心が強く,問診にて正確な情報が得られにくい.さらに長期間の留置では異物の周囲に石灰化を伴うことも多く,異物が硬化し抜去の際に周囲臓器を損傷する可能性も考慮しなければならない.特に今回の様な腟外への陥入が疑われるようなケースでは,十分な観察を行った上で抜去術を行うことが望ましいと考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
352-352, 2011
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