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<< 学会誌へ戻る 扁平上皮癌化した成熟嚢胞性奇形腫悪性転化の1症例を経験したので報告する．症例は67歳．1回経妊2回経産．易疲労感，腋窩腫瘤で近医受診し，CTにて腹部腫瘤指摘され当院へ精査目的紹介された．超音波検査では直径93.1mmの隔壁を有する嚢胞性腫瘤で，内部は低輝度均等なエコー像の内部に，中〜高輝度の部分を認め，一部は壁不整であった．MRIでは病変中央にT1，T2に共に高信号をなす領域を認め，脂肪抑制画像において信号抑制されることからdermoid cystが疑われたが，病変内壁には辺縁不整な充実部分が認められた．術前腫瘍マーカーの値はSCC 26.8ng/ml，CA125 40.6U/ml，CEA 20.6ng/ml，CA19-9 69.8U/mlと高値であった．術中迅速診断にて左卵巣に扁平上皮癌の疑いあり，両側付属器摘出，腹式単純子宮全摘術及び大網部分切除術を施行した．本症例を含め当院の症例を検討した結果，成熟嚢胞性奇形腫悪性転化の診断には一般的に，高年齢，腫瘍径が大きい，SCC及びCA125が高値であることが有用であるとされているが，画像診断上の嚢胞壁の辺縁不整も特徴的な所見であり，術前診断に有用であると考えられた． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 355-355, 2011 |
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