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<< 学会誌へ戻る 【緒言】ベバシズマブはVEGF（vascular endothelial growth factor）に対するモノクローナル抗体であり，腫瘍の血管新生を阻害する．すでに大腸癌等では有効性が確立され，標準治療となっているが，婦人科癌に対しては適応外治療である．今回，再発婦人科癌に対して，ベバシズマブを用いた化学療法を施行し，CRが得られた2症例について報告する．【症例1】65歳．子宮体癌（漿液性腺癌），pT3aN1M0．腹式単純子宮全摘術，両側付属器切除術，骨盤内リンパ節郭清術施行．追加治療としてTAC（PTX，ADM，CBDCA）療法を5コース行った．術後9カ月目に腹腔内再発を認め，十分なIC後，weekly bevacizumab-gemcitabin/oxaliplatin療法を開始した．3コース施行後，病巣の完全消失，CRが得られた．【症例2】72歳．卵巣癌（漿液性腺癌），pT3cNxMx．卵巣癌の術前診断で，TC療法2コース後，左付属器切除術施行．その後CBDCAに対するアレルギー反応認めたためPTX+CPT-11へレジメン変更した．術後20ヶ月目に骨盤内再発を認め，腫瘍摘出．同化学療法施行中に新病変認めPDと判定．セカンドオピニオン目的で，術後54ケ月目に当科紹介受診，PLD単剤投与の方針とした．4コース施行後PD，CPT-11単剤投与へ変更するも，増悪．IC後，weekly bevacizumab-gemcitabin/oxaliplatin療法を開始し，3コース施行，画像上再発病変の完全消失を認めた．【結語】これらの症例は分子標的治療薬併用化学療法により，一定の効果が得られた．今後のさらなる症例の蓄積と，多施設による治験の結果を踏まえて，保険診療に適応拡大を切に望む． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 358-358, 2011 |
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