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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
不妊治療でOHSS後に胞状奇胎と診断された一例


小松 央憲, 伊藤 理廣, 鈴木 円香, 井上 和子, 栗原 務, 太田 克人
社会保険群馬中央総合病院産婦人科


【緒言】排卵誘発治療後の妊娠においては,排卵誘発治療時に招来される異常なホルモン環境や,多発排卵による多胎妊娠が原因となり,妊娠初期には流産や子宮外妊娠が,中期から後期にかけては早産,母体合併症,さらには分娩時の異常の発生などが考えられる.今回我々は排卵誘発後妊娠し,OHSS,卵巣腫瘍茎捻転,胞状奇胎を発症した1例を経験したので報告する.【症例】26歳,女性,0経妊0経産.2008年頃からPCOS指摘されており,開業医で不妊治療施行.メトホルミン内服下,CC+P-FSH+hCGにて妊娠成立.妊娠初期よりOHSSにて卵巣腫大(右:径10cm大,左:径6cm大,腹水なし),切迫流産症状あり.2011年4月16日寝返りを打った際に激しい右側腹部痛出現し前医救急搬送.右卵巣は同様に腫大あり腟からの出血および悪阻症状も強く,卵巣茎捻転疑い,OHSS,切迫流産,妊娠悪阻のため当科転院搬送となった.入院後は疼痛自然軽快傾向し捻転自然解除が考えられ,保存的治療とした.OHSSも増悪傾向無く経過順調であった.しかし超音波にて胎児成分の他にvesicle patternを認め,胞状奇胎が疑われた.hCG測定したところ血中hCG 776080IU/l,尿中hCG 213444IU/lと高値を示し,その1週間後再検にて血中hCG 1709000 IU/lと上昇傾向.妊娠継続を希望されず,中絶の方針となった.5月9日 児娩出 30g 10cm 性別不明.胎盤病理は部分胞状奇胎の診断であった.娩出1週間後に再掻把し退院したが血中hCGの再上昇あり.MRIにて奇胎残存疑いを指摘.6月28日再々掻爬施行.現在も血中hCGのフォローを継続中である.【結語】排卵誘発治療後の妊娠は自然妊娠に比較して異常の発生が多く,不妊治療に際しては十分留意する必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 359-359, 2011


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