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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
TESE施行例の検討―Ca-ionophoreによる卵活性化の効果―
早川 繁1, 山内 格1, 阿久津 正2, 佐藤 芳昭2
伊勢原協同病院産婦人科1, ソフィアレディスクリニック産婦人科2
【緒言】NOA(非閉塞性無精子症)に対する治療にTESE(精巣内精子抽出術)が有効である.今回は,TESEのうち顕微鏡下に精細管を観察して精子存在の可能性の高い精細管を採取するmicrodissection TESE(MD-TESE)で採取した精子を用いて顕微授精を行った症例も含めて分析し,かつCa-ionophoreを用いて卵の活性化を行うことで妊娠率を上げられるかを検討した.【対象と方法】約4年間の間に,十分なインフォームドコンセントを得たのちに16例より精子採取(TESE)を施行し,原則的に精子を抽出したのち冷凍保存,その後に女性側から24周期に採卵を施行して顕微授精し,21周期に受精・分割卵が得られたので,胚移植を行った.うち4症例については精子での卵活性化能力の低下を考慮してCa-ionophoreによる卵活性化法を併用し,顕微授精を行った.【結果】TESE採取の精子による顕微授精にて8周期(38.1%)が妊娠し,うち2例が流産したが,残りの6例は分娩または妊娠継続中である.また,Ca-ionophoreによる卵活性化を併用した4周期中で,3例が妊娠に成功した.【結論】TESEによる抽出精子での顕微授精はNOA患者にとって有用であり,さらに精子の未熟性を考えると,卵活性化操作を併用することは,妊娠成功の機会を増大させる可能性が示された.さらに出生児の予後を含めて検討する予定である.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
360-360, 2011
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