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<< 学会誌へ戻る 【緒言】Wunderlich症候群は重複子宮，子宮頸部嚢腫，同側腎無形成を伴う子宮奇形の一つで本邦での報告は50例ほどの稀な疾患でありその妊娠分娩転機に関する報告は少ない．われわれはWunderlich症候群の自然妊娠と診断し，その妊娠管理行ったので報告する．【症例】28歳 0G0P 月経歴：初経10歳 周期 不順26〜40日 7日間持続 月経痛あり．前医にて自然妊娠の診断，茶色帯下が持続するため妊娠9週で当科を受診．クスコ診で子宮腟部は一つで右側腟壁に膨隆を認めた．超音波とMRIを施行し子宮頚部右側に3cm大の内部は均一で充実部分のない留血腫と思われる嚢胞状腫瘤を認めた．妊娠子宮右側にはもう一つ子宮体部が認められた．患者の右腎は同定不可能であった．以上より重複子宮，右子宮頸部嚢腫，右側腎無形成を伴う子宮奇形のWunderlich症候群，左側子宮妊娠と診断し当科での妊娠管理を開始した．児は骨盤位で経過したため妊娠37週6日選択的帝王切開術を施行した．開腹所見では左右の重複子宮を確認，両側付属器には異常なく子宮内膜症の所見はなかった．同時に月経痛の改善のため経腟的に頸部嚢腫開窓術を施行．嚢腫壁を切除し古い血性内容液をドレナージした．嚢腫壁病理組織では子宮頚管腺由来の円柱上皮が認められWunderlich症候群と診断された．術後経過は問題なく退院となった．【結語】Wunderlich症候群は複雑な形態と頻度の低さから診断が困難でその自然妊娠の報告例は少ない．子宮奇形の診断は妊娠週数が進むにつれて困難となることが予想されるため妊娠初期に診断をすることが重要である． 関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 361-361, 2011 |
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