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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
帝王切開術の創部瘢痕に生じた子宮内膜症の一例
櫻井 信行, 篠崎 悠, 福庭 一人
総合太田病院産婦人科
【緒言】子宮内膜症は主に卵巣や腹膜など骨盤内を中心に発生するが,稀ながら腹壁などの手術創部に発生することがある.今回我々は,帝王切開術の創部瘢痕に結節を形成した子宮内膜症の一例を経験したので報告する.【症例】32歳の2回経妊2回経産女性.国籍はフィリピン.家族歴に特記すべき事項はなく,既往歴に26歳と29歳時に帝王切開術を母国において施行されている.月経は順,月経痛はあるときとないときがある.約1年前より帝王切開術の創部瘢痕の皮下組織に腫瘤があるのに気づいた.腫瘤は徐々に増大し,疼痛もみられたため当科を受診した.触診にて手術瘢痕の直下に,長径1cm程度の硬い結節状の腫瘤を触知した.腹部超音波断層法では腫瘤は境界明瞭な低エコー領域として認められた.腫瘤は可動性があるものの下床との連続性があり,縫合糸に対する異物肉芽腫が疑われ,疼痛も伴うため手術を施行することとなった.手術では腫瘤は皮下組織内の腹直筋前鞘表面にあり,前鞘と癒合していたため腫瘤周囲の前鞘組織ごと切除を行った.欠損部はそれほど大きくならなかったため,合成吸収糸にて縫合し閉鎖した.術後経過は良好で翌日軽快退院した.病理組織所見は線維組織内に間質組織を伴う異所性の内膜腺組織が島状に認められ,子宮内膜症の診断であった.悪性の所見は認められなかった.【考察】手術創部に発生する子宮内膜症は稀である.その発生由来は,手術時に子宮内膜が直接移植されたものと考えられており,子宮内膜症病因の移植説を支持するものである.帝王切開術のみならず,女性の手術創部に発生する皮下腫瘤の原因として,子宮内膜症は鑑別疾患の一つにあげるべき疾患と考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
372-372, 2011
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