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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
外陰部に発生した巨大脂肪腫の1例


萬来 めぐみ, 竹下 直樹, 高島 明子, 安田 豊, 矢野 ともね, 内出 一郎, 木下 俊彦
東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科


【緒言】脂肪腫は軟部組織由来の腫瘍中,発生頻度の高い良性腫瘍である.発生部位は通常,上腹部,背部,首,肩,四肢近位部であり,外陰部に発生することは非常に稀である.巨大な腫瘍についての報告はさらに少ない.今回,右側外陰部(大陰唇)に発生した巨大脂肪腫を経験したので報告する.【症例】59歳,3経妊2経産.5年前から右側外陰部の腫瘤を自覚,急激な増大傾向を認めたが放置していた.最近では日常生活に支障を来たすため近医受診し,当科紹介となった.初診時,右側外陰部,大陰唇から発生した,弾性軟で懸垂性の腫瘍を認め,大きさは約15cmであった.表皮は保たれており,圧痛,出血などは認められなかった.超音波では,層状の線状エコーを有するやや高エコーな充実性腫瘤の所見を呈し,内部に血流は認めなかった.MRI検査では,内部は均一,脂肪組織と同信号を示す所見であった.また,骨盤内との交通は認めず,周囲組織への侵潤像はなく,外陰部皮下に限局している腫瘍と考えられた.上記から外陰部腫瘍摘出術を予定し,完全摘出をすることが出来た.病理所見は,大小不同を示す成熟した脂肪細胞の増殖からなり,悪性所見は認めなかった.【まとめ】非常に稀な外陰部巨大脂肪腫を経験した.今回は,増大後も無症状で,生活に不都合を感じなかったこと,また発生部位が外陰部ということから,患者自身,早期の医療機関受診の機会を逸し,当科初診時は既に巨大な腫瘍となっていた.巨大腫瘍に対する,手術手技,あるいは非常に稀ではあるがliposarcomaなどの可能性を考えると,適時に治療を施行することが望ましいと考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 373-373, 2011


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