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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
外陰部乳頭状汗腺腫の一例


古村 絢子, 寺田 光二郎, 長坂 貴顕, 宮下 真理子, 神尊 貴裕, 中村 泰昭, 落合 尚美, 中川 圭介, 矢部 慎一郎, 五十嵐 敏雄, 梁 善光
帝京大学ちば総合医療センター産婦人科


【緒言】乳頭状汗腺腫(Hydradenoma Papilliferm,以下HP)はアポクリン汗腺由来の良性腫瘍で,30から50歳代の女性の外陰部(多くが大陰唇,小陰唇)に単発する.1878年にWerthらにより初めて報告され,本邦でも1970年から報告が散見されている.一般に隆起性病変が多いが,潰瘍やびらんを伴うこともあり,臨床的に外陰癌やバルトリン嚢腫と鑑別が必要になる.基本的には良性のために経過観察可能とされるが,2005年,Vazmitelらは稀に癌化がおこることを報告した.今回,我々はこの比較的稀なHP症例を経験し,対応として外科的切除術を行ったので報告する.【症例】39歳,3経妊2経産.2年前から外陰部腫瘍を自覚するも放置していたが,腫瘍が増大し出血するようになり,当院へ紹介.初診時,小陰唇から陰唇間溝にかけて直径1.5cm,表面びらん状の腫瘍を認めた.子宮頸部細胞診は正常だったが,外陰部腫瘍表面細胞診はclass III,腫瘍マーカー陰性,組織検査でHPと診断された.症状があるHPで,癌化例の報告もあったので局所麻酔下に外陰部腫瘍摘出の方針とした.摘出物の病理結果もHPで,悪性の所見はなかった.術後経過は良好で再発は認めていない.【結論】VazmitelらはHP病変にヒトパピローマウイルス-16(HPV-16)感染が加わった場合に癌化する可能性を指摘している.本症例ではHPV感染を疑う所見はなかったが,生検でHPであると確認した場合でも,腫瘍増大,疼痛,出血などの症状がある例,HPV感染例,鑑別が難しい例では外科的切除を考慮すべきであると考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 373-373, 2011


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