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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
腟マラコプラキアの一例


高矢 寿光, 大塚 伊佐夫, 松浦 拓人, 伊豆田 千夏, 佐藤 茉弥, 可世木 華子, 田中 亜由子, 高木 清考, 古澤 嘉明, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田メディカルセンター産婦人科


マラコプラキアは肉眼的には黄色斑または潰瘍形成を認める腫瘤像を呈することが多く,病理組織学的には好塩基性封入体(Michaelis-Gutmann小体)を有する泡沫状組織球を特徴とする慢性肉芽腫性病変である.病因は細菌に対するマクロファージの異常応答と言われており,Michaelis-Gutmann小体はマクロファージによる細菌の貪食機構が不十分であるため,マクロファージ内に部分的に消化された細菌などが蓄積したものと考えられている.原因となる細菌はE.coliが多いとされている.頻度は非常に稀であり主に膀胱や尿管といった下部尿路に発生することが多いが,消化管や生殖器,後腹膜,肺,舌,皮膚などに発生した報告も存在する.また,糖尿病や臓器移植後,ステロイド長期投与といった免疫抑制状態の患者に見られることが多い.今回我々は腟マラコプラキアの一例を経験したため報告する.症例は80歳,2回経産,閉経52歳.慢性関節リウマチに対してプレドニゾロン5mg/日で内服加療中であったが,血液検査でHb 7.6g/dLと貧血があり性器出血が認められたため当科紹介受診した.初診時の腟鏡診で腟円蓋部8時〜11時方向の腟粘膜に易出血性の浮腫状変化を認め,悪性腫瘍を疑い同日組織生検を行った.病理組織検査では多数の腫大したマクロファージを有する黄色肉芽腫様病変が認められ,マクロファージ内にMichaelis-Gutmann小体が認められため腟マラコプラキアと診断した.画像検査では他の臓器に病変が認められず,受診後は性器出血が消失し貧血が改善したため現在無投薬で経過観察中である.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 374-374, 2011


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