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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))
【一般演題】
腟壁平滑筋腫の1例
尾臺 珠美1, 岡崎 隆行1, 茂木 絵美1, 香坂 信明1, 坂本 尚徳1, 深澤 一雄1, 本間 浩一2
獨協医科大学産婦人科1, 獨協医科大学腫瘍センター2
婦人科臓器に発生する平滑筋腫の多くは子宮に発生するが,ごく稀にその他の部位に発生することがある.今回我々は腟壁に発生した平滑筋腫の一例を経験したので報告する.症例は40歳2経妊2経産.2008年頃より外陰部腫瘤を自覚していたが,無症状であり放置していた.2010年帯下の増加を主訴に近医を受診し,腟壁腫瘍を認めたため精査目的に当科に紹介となった.腟壁6-9時方向から腟内腔に突出する表面平滑で弾性軟の腫瘤を認め,可動性は良好であった.MRIでは腟壁にT2低信号の径71×67mmの境界明瞭な腫瘤を認めた.子宮前壁に径12mmの筋腫を認める他は,子宮・両側付属器に異常所見は認めなかった.術前に行った膀胱鏡検査で右尿管からのインジコカルミン色素の排泄遅延を認め,膀胱は腫瘍により圧排されていたため,2011年6月腹式単純子宮全摘術および腟式腫瘍摘出術を施行した.術後経過は良好で,病理組織診断は腟壁平滑筋腫であった.腟壁平滑筋腫は稀な疾患であるが,傍尿道平滑筋腫として泌尿器科で治療されているケースも混在しているようである.若干文献的考察を行い,報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 48(3)
374-374, 2011
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