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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
円柱腫(cylindroma)様構造を認めた成熟嚢胞性奇形腫の1例


島田 学1, 尾崎 景子1, 山本 晃人1, 黒瀬 圭輔1, 鴨井 青龍1, 安齋 眞一4, 彭 為霞2, 内藤 善哉2, 川本 雅司3, 土屋 眞一3, 竹下 俊行1
日本医科大学産婦人科1, 日本医科大学病理2, 日本医科大学附属病院病院病理部3, 日本医科大学皮膚科4


円柱腫は皮膚汗腺から発生する良性腫瘍であるが,成熟嚢胞性奇形腫に円柱腫様構造を伴うことは稀であり,国内外を問わず文献的報告は極僅かである.今回我々は,成熟嚢胞性奇形腫の表皮成分に円柱腫様構造を認めた1例を経験したので報告する. 症例は75歳3経妊3経産.検診にて小児頭大の骨盤内腫瘤を指摘され当院紹介受診となった.初診時所見は下腹部に弾性軟の小児頭大腫瘤を触知するのみで,他に異常所見を認めなかった.MRI等画像検査では骨盤内正中に98×131mm大の嚢胞性病変を認めた.嚢胞の内部に脂肪滴を認め,また嚢胞病変の右背側に16×7mm大の乳頭状の壁在結節があり,造影効果を伴うことから,成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化が疑われ,開腹手術を施行した.術中所見は,子宮及び右卵巣は正常で,腫瘤は直径約13cm大の左卵巣腫瘍であり,左付属器切除術を施行した.術中病理検査にて悪性所見なしと診断し,両側付属器切除術のみで終了とした.摘出した腫瘍は表面平滑な単房性嚢胞状病変で薄い嚢胞壁を有し,1ヶ所のみ25mm大の壁在結節を認めた.病理学的所見では,嚢胞壁内面は角化重層扁平上皮に覆われ,結節部に一致してN/C比の高い異形細胞の増生を認めた.1部では骨,軟骨形成があり,部分的に胞巣辺縁部細胞核の柵状配列や汗管,毛包などを模倣する所見が見られた.各種免疫染色の結果を参考に,成熟嚢胞性奇形腫の1成分として,汗腺系統の皮膚付属器に由来した腫瘍への分化像(円柱腫様構造)と判断した. 本病変は稀であり,悪性度を含め診断に苦慮したが,最終的に悪性度は低いと判断して術後追加治療なく外来経過観察とした.本症例に若干の文献的考察を加え報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 376-376, 2011


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