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【原著】
当院におけるLate pretermの検討
安田 豊, 石田 洋昭, 齋藤 麻由美, 高島 明子, 矢野 ともね, 竹下 直樹, 木下 俊彦
東邦大学医療センター佐倉病院産婦人科
当院で経験した妊娠34週以上37週未満の早産(Late preterm LP)156分娩(186児)を後方視的に分析した.LPの発生率は7.3%であり,分娩週数別には妊娠34週がLPの19%, 35週が30%, 36週が51%を占めた.LPに至った原因では,抑制できなかった子宮収縮の発来と前期破水が38%と31%であり,重症PIHと胎児機能不全が各々13%であった.新生児の合併症(一過性多呼吸,IRDS,低血糖,治療を要した黄疸)はLP児の36.6%に認められた.週数別に合併症の発症率を検討すると34週では71%に発生していて他の週数に比べて高率であった.呼吸障害は34週LP児の50%にみられた.いずれの合併症も週数の増加に伴い発症率は低下した.早期新生児死亡はみられなかった.妊娠34週では入院率は100%で入院期間は30.9±12.9日,35週で53%, 19.7±15.9日,36週で15%, 12.6±10.2日(平均±標準偏差)であり,34週では35週と36週のいずれと比較しても入院率は有意に高く,入院期間は有意差に延長していた.新生児医療の発達に伴い妊娠34週以降の早産児の予後は改善している.しかしながらLP児の36.6%は合併症を発症する,また長期発達予後にもリスクを有することが示唆されるので安易にLPを発生させることは避けるべきである.
Key words:late preterm, prematurity, neonate, delivery
関東連合産科婦人科学会誌, 48(4)
399-403, 2011
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