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【症例報告】
肛門痛を主訴にした処女膜閉鎖症の1例


厚木 右介, 柳 由紀, 大和田 倫孝, 石田 洋一, 若佐谷 敦, 山田 哲夫, 佐藤 郁夫
国際医療福祉大学病院産婦人科


 処女膜閉鎖症は,小児の泌尿生殖器系疾患として比較的稀な疾患である.初経前に下腹痛を来すことが多く,月経血が腟内に貯留した場合,卵巣嚢腫との鑑別が重要である.今回われわれは,周期的肛門痛を主訴に来院した処女膜閉鎖症の1例を経験した.年齢は12歳で,初経は発来しておらず,視診で処女膜閉鎖が認められた.腹部超音波断層法およびMRIでは,骨盤内に13 cm大の腫瘤陰影が認められたため,処女膜閉鎖による子宮内および腟内血腫と診断し,処女膜切開術が施行された.切開時,腟内より陳旧性の血液が約250 ml排出された.術後肛門痛は消失した.処女膜閉鎖症は下腹痛を始めとして多彩な症状を呈する.したがって,本症例のような肛門痛であっても,本疾患を念頭に置く必要があると考えられた.

Key words:imperforate hymen, anal pain, menarche, hematocolpos

関東連合産科婦人科学会誌, 48(4) 419-422, 2011


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