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【症例報告】
T shaped uterusを有する習慣流産の患者にStrassmann法による子宮形成術を施行し生児獲得に成功した一例
川崎 彰子, 奥野 鈴鹿, 和田 篤, 相野谷 陽子, 越智 有美, 北 直喜, 岡本 一
筑波学園病院
T shaped uterusは不妊症不育症の原因になる子宮奇形の一種である.今回我々はT shaped uterusを有する難治性不育症に対し,Strassmann法による子宮形成術後,生児を獲得した症例を経験したので報告する.症例は34歳の外国人女性.過去4回の妊娠では無治療または抗凝固療法を施行されたが,いずれも流早産に終わっていた.子宮卵管造影によりT shaped uterusと診断されたため,Strassmann法により子宮形成術を施行した.術後の妊娠は妊娠32週以降IUGRを認めたが,妊娠37週まで継続後,選択的帝王切開にて健児を得た.今回の症例はT shaped uterusに対するStrassmann法による子宮形成術としては2例目の報告であり,不育症の治療としては初めての報告である.T shaped uterusが原因と考えられる不育症の治療としてStrassmann手術が有用である可能性が示された.
Key words:T shaped uterus, metroplasty, Strassmann's operation, recurrent abortion
関東連合産科婦人科学会誌, 49(1)
89-94, 2012
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