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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題】
当院における新旧GDM診断基準の違いと周産期因子との関係に関する検討


田代 英史, 中島 義之, 和田 真沙美, 千葉 純子, 草西 多香子, 諸岡 雅子, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科・婦人科


【目的】
 妊娠糖尿病(GDM)の新しい診断基準の導入によって軽症GDM症例が増加している.今回,新旧GDM診断基準の違いと周産期因子との関係について後方視的に検討した.
【方法】
 倫理委員会の承認を得た後,当院において過去18か月間に75gOGTTを施行した単胎妊婦257人を,新旧診断基準ともGDM群(A群),新基準によって新たに追加となるGDM群(B群),新旧基準ともにGDMでない群(C群)の3群に分類した.診療録および産科データベースより各因子を検討に用いた.統計はone-factor ANOVAを用い,p<0.05を有意とした.
【成績】
(1)A群は23症例,B群は54症例,C群は171症例であり,当院においてもGDM新基準によってGDM症例は3.3倍増加した.A群・B群ともに,入院または外来での血糖管理を行った.
(2)母体年齢,分娩週数,出生体重,新生児身長,胸囲などに関しては各群間に有意差はなかった.
(3)臍帯動脈pHと帝王切開率に差は認めなかったが,Apgarスコア5分値はA群がC群より有意に低く(p<0.05),有意ではないが新生児頭囲(p=0.05)とApgarスコア1分値(p=0.10)もA群がC群より低い傾向があった.
【結論】
 GDM総数は増加したが,血糖コントロールを行った結果,新基準によって新たに追加となったGDM群において周産期・新生児合併症は増加しなかった.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 282-282, 2012


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