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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))
【一般演題】
当院における子宮筋腫合併妊娠と子宮筋腫核出術後妊娠の妊娠予後の比較
菊地 真理子, 岡垣 竜吾, 佐藤 加寿子, 三木 明徳, 梶原 健, 板倉 敦夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科
【目的】産婦人科ガイドライン婦人科外来編では「挙児希望の患者において,比較的大きな筋腫,多発性筋腫,子宮口に近い筋腫などを認めた場合は,無症状であっても妊娠前に手術療法を勧めてもよい」とされている.今回,当院における子宮筋腫合併妊娠,子宮筋腫核出術後妊娠症例の妊娠予後を検討し,子宮筋腫核出術を施行することにより妊娠・分娩時のトラブルの回避できるかどうかを検証した.【方法】2009年1月から2011年12月までの期間,当院で分娩した例のうち(双胎を除く)子宮筋腫合併妊娠85例(合併群),子宮筋腫核出術後妊娠36例(核出群)について後方視的に検討した.【成績】合併群と核出群を比較すると,分娩週数は38±1.9 vs 37±2.1週,早産率は14.1 vs 19.4%,分娩時異常出血率は21.2 vs 19.4%であった.筋腫核出の術式は,開腹30例,腹腔鏡補助下(LAM)1例,腹腔鏡下(LM)2例,子宮鏡下3例であり,手術適応は過多月経による貧血,多発性筋腫,巨大筋腫,不妊症等であった.核出群で36例中33例が選択的帝王切開となっており,癒着胎盤が1例あった.核出後に子宮筋腫が再発している症例が12例(33.3%)であった.輸血例は合併群で9例(自己血7例),核出群で4例(自己血1例)であった.【結論】子宮筋腫核出を行っても早産や異常出血のリスクが軽減する可能性は低く,妊娠分娩時の注意深い管理が必要でると思われる.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(2)
283-283, 2012
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