|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第123回学術集会(平成24年6月17日(日))
【一般演題】
子宮転移を認めたBurkitt lymphomaの一例
廣瀬 宗1, 鈴木 啓太郎1, 永吉 陽子1, 野澤 絵理1, 松野 香苗1, 丸田 剛徳1, 佐藤 陽一1, 森川 あすか1, 上田 和1, 礒西 成治1, 岡本 愛光2
東京慈恵会医科大学附属第三病院産婦人科1, 東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科2
Burkitt lymphomaの0.5%に子宮転移を認めるとの報告がある.今回我々は,針生検で診断したBurkitt lymphomaの子宮転移の一例を経験したので報告する.年齢は73歳,3経妊0経産,既往歴は高血圧,高脂血症,慢性関節リウマチで近医にて内服治療中であった.右頚部リンパ節腫脹を主訴に当院内科受診.同リンパ節に対し針生検を施行したところ,病理組織学的検査にてnon-Hodgkin lymphomaとの診断であった.全身精査目的で施行した頸胸部CTで右鎖骨上から大動脈にかけて5cm大の腫瘤性病変,右胸水を認め,腹部CTでは子宮内腔に腫瘤性病変を認めた.Gaシンチグラフィーでは,右鎖骨上窩,左上腹部,下腹部にRI集積を認め,non-Hodgkin lymphomaの子宮転移が疑われ当科紹介受診となった.経腟超音波断層法にて子宮内腔に約5cm大の境界明瞭な低エコー領域を認めた.子宮頸部細胞診はNILM,子宮内膜細胞診は陰性であり,血液検査上,CEA 1.8 ng/dl, CA19-9 18 U/ml, CA125 17 U/ml, LDH 359 IU/lとLDHの軽度上昇を認めた.骨盤MRIを施行したところ,子宮内腔にT1, T2強調画像で等信号かつ内部均一,拡散強調画像で高信号かつADC mapでの低下を示し細胞密度の高い腫瘤性病変を認めた.また,右卵巣に子宮腫瘤と同所見の約4cm大の腫瘤性病変を認めた.non-Hodgkin lymphomaの子宮,卵巣転移が疑われたが,子宮悪性腫瘍との鑑別を要し子宮内膜掻爬術,子宮内腫瘤針生検を施行.HE染色の病理組織学的診断では明らかな所見を認めなかったが,針生検検体で施行したFISH法ではIgH/C-MYCの融合遺伝子が陽性であったことから,Burkitt lymphomaの子宮転移と診断した.本症例に対し,現在R-Hyper CVAD/MA療法施行中である.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(2)
284-284, 2012
|