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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題1】
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こさない排卵誘発法


西村 良平, 渡邉 貴之, 武田 哲, 加藤 清, 本道 隆明, 木村 薫
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科


 体外受精における排卵誘発において,卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は稀ではあるが重篤な合併症であり,発症した場合は入院管理が必要となることが多い.現在当科で採用している排卵誘発法にて,妊娠成績を著しく落とさずにOHSSの発症を抑制する可能性が示唆されたため報告する.当院では2007年より体外受精においてHMGを用いて排卵誘発をおこない,GnRH antagonistでLHサージを抑制し,GnRH agonistを用いてLHサージを惹起し採卵する方法を採用している(A法).それ以前はGnRH agonist,HMGにて卵胞発育を促し,HCGに切り替えることで排卵を誘発するショートプロトコール(B法)を採用していた.2005年1月〜2006年12月までB法で採卵した369例と2007年1月〜2011年6月までA法で採卵した664例で妊娠率と重症OHSSの発症頻度を比較した.B法では妊娠率は28%,A法では妊娠率は22%であった.重症のOHSSはB法では6例認められ,いずれも腹水濾過再静注が必要であった.A法では重症OHSSの発症は1例も認められなかった.以前よりHCGを用いた黄体期管理,あるいは妊娠時にOHSSが重症化することが知られており,HCGがOHSSを重症化させる要因として推測される.したがってHCGを用いずGnRH agonistを用いてLHサージを惹起することで妊娠率を下げずに重症OHSSを抑制することが可能と考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 287-287, 2012


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