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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題2】
深部静脈血栓症を発症した巨大子宮筋腫合併妊娠の一例


森田 晶人1, 定方 久延2, 小林 未央2, 家坂 直子2, 水谷 亜紀子2, 笠原 慶充2, 田村 友宏2, 勝俣 祐介2, 峯岸 敬2
群馬大学医学部附属病院産婦人科1, 群馬大学医学部附属病院産婦人科2


【緒言】今回我々は,深部静脈血栓症を発症した巨大子宮筋腫合併妊娠の症例を経験したので報告する.【症例】42歳女性.0経妊0経産.前医で子宮筋腫に対しGnRHagonistによる治療を行い,5cm程度の筋腫核が残存することが指摘されていた.自然妊娠.妊娠10週で左下肢の浮腫・歩行時の左下肢の付け根の疼痛を訴え前医受診.非妊時体重55kgから62.5kgと体重増加著明.ドップラーエコーにて左鼡径静脈の血流認めず,当院紹介受診.左下肢の著明な浮腫と蜂窩織炎を認めた.下肢静脈エコー,およびMRIでは大腿静脈〜膝窩静脈〜外果まで血栓を認めた.子宮体部左側に20cm大の巨大子宮筋腫を認め,細長く引き伸ばされた子宮内腔の先端に胎児が存在していた.FDP 78.6mg/dl,D-dimer 37.0と著明高値.プロテインS活性 72%,プロテインC活性 82.6%と正常範囲内.抗CLβ2GP1抗体陰性,LA陰性と抗リン脂質抗体症候群は否定的であった.以上より,妊娠により急激に増大した子宮筋腫による左下肢血管の圧迫が,深部静脈血栓症の主な原因と考えられた.深部静脈血栓症に対し,ヘパリン持続点滴による抗凝固療法開始.APTTを前値の1.5〜2.5倍にコントロールした.下肢エコー,MRIにより血栓の消失を確認.その後在宅管理を目標としてヘパリンカルシウムの自己注射を開始した.妊娠23週現在妊娠経過は順調であるが,今後子宮筋腫の増大に伴う血栓の再発や,胸郭の圧迫による呼吸困難,妊娠継続困難なども予測され,更なる厳重な管理が必要とされる.【結語】妊娠中は種々の理由により血栓症のリスクが高まるとされる.子宮筋腫合併妊娠では妊娠期間中の筋腫の増大などにより,より慎重な管理が必要と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 289-289, 2012


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