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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題2】
山梨県における静脈血栓塞栓症予防の現状について―帝王切開術後に肺血栓塞栓症を来した1例から―


大井 恵, 笠井 真祐子, 小笠原 英理子, 奥田 靖彦, 平田 修司
山梨大学産婦人科


 今回我々は,帝王切開術後1日目に呼吸苦と胸痛を訴え,肺血栓塞栓症と診断された1例を経験した.症例は38歳3経妊0経産3回自然流産.身長150cm,分娩時体重63.8kg(BMI 28.4).前医にて妊娠管理され,既往歴や家族歴,妊娠経過に特に異常を認めていない.妊娠40週6日,分娩停止の診断で帝王切開術を施行された.下肢深部静脈血栓症予防は弾性ストッキングのみであった.術後1日目の初回歩行後に呼吸苦と胸痛が出現し,肺血栓塞栓症の疑いで当院へ搬送となった.
 来院時のバイタルは安定し,酸素投与下でSpO2も保たれていた.また血液検査,心電図,心エコーでも大きな異常はみられなかったが,胸部造影CTで右主肺動脈から下葉枝にかけて約4.5cmにわたる血栓を認めた.血栓性素因に関し精査を行ったが明らかな異常を認めていない.下肢静脈エコーでは右ヒラメ静脈外側枝に血栓を認めた.ヘパリンによる抗凝固療法を行い,下肢深部静脈血栓の消失と肺動脈内血栓の縮小を認めたため第11病日に前医へ転院となった.
 妊娠中は非妊娠時に比べて静脈血栓塞栓症が生じやすい.また産科における深部静脈血栓症の約4〜5%が肺血栓塞栓症につながり,一方肺血栓塞栓症の90%以上は下肢深部静脈血栓症に起因するといわれているため,リスクレベルを評価し予防を行う必要がある.本症例の経過と山梨県内での静脈血栓塞栓症予防の現状について,ガイドラインに基づく考察を加えて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 290-290, 2012


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