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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題3】
Twin Anemia-Polycythemia Sequenceを発症した二絨毛膜二羊膜性双胎の一例


宮腰 藍衣1, 佐藤 加奈子1, 平田 豪1, 上田 麗子1, 竹内 梓1, 笠井 絢子1, 井畑 穣1, 茶木 修2, 中山 昌樹1
横浜労災病院産婦人科1, 横浜労災病院分娩部2


【緒言】Twin Anemia-Polycythemia Sequence(以下 TAPS)は一絨毛膜性二羊膜性双胎(以下 MD双胎)に発症する双胎間輸血症候群(以下 TTTS)の類似疾患で,羊水量変化を伴わず児に多血・貧血を生じる疾患であり,胎盤の細い血管吻合を介しての慢性的な胎児間輸血が原因と考えられている.これまでに二絨毛膜性二羊膜性双胎(以下 DD双胎)での発症例は報告されていない.今回我々は,MD双胎として搬送され分娩後にDD双胎のTAPSであったことが判明した一例を経験したので報告する.【症例】32歳の初産婦,自然妊娠によるMD双胎として前医で管理されていた.妊娠28週 羊水差を認め1児はFGRであったが,TTTSの診断基準は満たさず.妊娠29週5日 破水後子宮収縮認めたため当院へ搬送となった.入院後,ステロイド投与し子宮収縮抑制剤継続するも分娩不可避となり,29週6日 緊急帝王切開での娩出となった.胎盤は両児の間で白色(1児),赤色(2児)と明瞭に分かれており,ミルクテストでは胎児面から明らかな吻合血管は確認できなかった.病理結果では癒合した二絨毛膜二羊膜胎盤であった.1児は皮膚蒼白色,Hb 5.0,網状赤血球 180‰と貧血,2児は皮膚暗赤色,Hb 24.8, Hct 69%と多血を呈した.それぞれ輸血・部分交換輸血を必要とした.【考察】ミルクテストでは吻合血管は確認できなかったが,児の状態からはTAPSと考えられた.また,胎盤所見や児の身体的特徴からDD双胎と診断された.DD双胎の胎盤間吻合血管は稀であるが報告例もあり,本症例でも微細な血管吻合を介しTAPSが発症した可能性がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 291-291, 2012


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