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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))
【一般演題4】
子宮頸部小細胞癌の2例〜予防的全脳照射は予後・QOLを改善するか〜
平田 豪1, 宮腰 藍衣1, 石原 瑞葉2, 佐藤 加奈子1, 上田 麗子1, 竹内 梓1, 笠井 絢子1, 井畑 穣1, 茶木 修1, 中山 昌樹1
横浜労災病院産婦人科1, 横浜市立大学付属市民総合医療センター婦人科2
子宮頸部小細胞癌は子宮頚癌全体の2-5%というまれな疾患であるが,早期より遠隔転移をきたすという特徴があり,特に脳転移は10-20%に起こるといわれている.一方,肺小細胞癌では,予防的全脳照射(PCI)が生命予後を改善させることが示され,標準治療となっている.今回我々は子宮頸部小細胞癌の2例を,予防的全脳照射施行の有無につき,その経過を比較した.【症例1】46歳.子宮頸部小細胞癌T1b1N0M0の診断で広汎子宮全摘術,骨盤リンパ節郭清術を行い,術後EP療法施行.その後8ヵ月後に肺,膵転移を認め,EP療法,TC療法,NGT療法,CDDP+CPT-11療法を施行したが,術後2年4カ月で多発脳転移を認め,著明な頭痛,嘔吐,複視出現.症状コントロール不能のまま死亡した.【症例2】24歳.子宮頸部小細胞癌T3bN1M1(PLU, LYM)の診断でEP療法施行し,寛解得られたため,PCI(25Gy)施行.初診後6カ月で傍大動脈リンパ節,肝転移を認め,AMR療法,NGT療法を施行したが,敗血症を併発し,初診後8カ月で死亡した.脳転移は認めなかった.【結語】脳転移は,生命予後に直結するだけでなく,QOLを著しく低下させる.PCIは子宮頸部小細胞癌においても,脳転移を予防することにより,QOLを改善できる可能性があり,考慮してもよい治療であると思われた.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(2)
293-293, 2012
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