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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))
【一般演題4】
円錐切除後に断端遺残を認め光線力学療法を施行した2例
神藤 里枝, 村上 浩雄, 望月 亜矢子, 田村 直顕, 宮部 勇樹, 伊東 宏晃, 杉原 一廣, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
【緒言】子宮頚部上皮内病変(CIN)は増加傾向にあり,かつ若年化傾向にある.そのためCINIIIに対する治療法として妊孕能温存を考慮した円錐切除術,レーザー蒸散,光線力学療法(以下PDT)が挙げられる.その中で治癒率,組織学的診断の理由から多くの症例に円錐切除術が選択されている.円錐切除術施行後に断端遺残を認めた場合,子宮頸管短縮や妊孕能温存の点から治療法選択に悩まされる.今回,CINIIIの円錐切除後の断端遺残に対しPDTを施行した2例を経験したので報告する.【症例1】40歳,1経妊0経産.平成21年4月CINIIIに対し近医で円錐切除術施行.病理診断で断端陽性であったがその後は細胞診で経過観察されていた.その間不妊治療をしていたが挙児には至らなかった.平成22年11月頸部組織診で再度CINIIIと診断.前医に紹介された.頸管短縮の可能性からPDT希望され平成23年1月に当院紹介となった.平成23年3月31日PDT施行し4月28日退院.その後の診察で治癒と診断.現在不妊治療を再開している.【症例2】32歳,0経妊0経産.平成22年8月と平成23年4月に近医でLEEP施行され,その後CINIIIの再発を認めたため前医へ紹介.平成23年10月に円錐切除術施行されるも頸管側断端陽性.子宮摘出勧められたが挙児希望強く平成23年12月PDT希望のため当院へ紹介受診となった.平成24年2月9日PDT施行し経過観察中である.【まとめ】子宮頸部円錐切除後の再発や断端遺残に対しPDTで治癒できた1例を経験した.症例2についての経過及び断端遺残後PDTの適応について考察し報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(2)
295-295, 2012
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