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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))
【一般演題4】
当院における子宮頸部円錐切除術の検討
佐藤 晴香, 西井 修, 土谷 聡, 竹村 由里, 土屋 裕子, 中尾 美木, 小松 保則, 清水 彩子, 左 時江
帝京大学溝口病院産婦人科
【目的】当科で子宮頸部初期病変に対する子宮頸部円錐切除術を実施した症例を対象とし円錐切除術の有用性について検討した.【対象と方法】過去6年間に子宮頸部初期病変に対して円錐切除術を施行し,6カ月以上経過観察しえた79例を対象とした.子宮頸部円錐切除術は全身麻酔下,サージトロンまたは電気メスを用いて行い1.術前診断2.円錐切除後の病理診断3.術後の経過観察成績についての検討を行った.【結果】患者年齢は19歳から82歳に及び,平均39.7歳であった.1.術前診断は,中等度異形成4例,高度異形成63例,上皮内癌11例,微小浸潤癌4例であった.2.円錐切除によって術前診断より高度の診断となったのは11例(13.9%)であった.3.子宮全摘術を追加した症例は6例(上皮内癌1例,微小浸潤癌4例,浸潤癌1例)で73例(高度異形成56例,上皮内癌10例,微小浸潤癌2例,上皮内腺癌1例,中等度異形度以下4例)が経過観察とされた.経過観察した中で切除断端陰性例は61例あった.58例は再発を認めなかったが,1例は軽度異形性,2例は高度異形性が発生したため経過観察中である.また切除断端陽性例は12例で,子宮頸部初期病変が発生したが自然消失した症例が2例,存続する症例が1例であった.残り9例は細胞診の異常がなく,順調に経過している.【考察】術後の厳重な経過観察が必要ではあるが,子宮頸部初期病変に対する円錐切除術は正確な病理診断,妊孕性温存という観点からも極めて有用な治療法であると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 49(2)
296-296, 2012
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