 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 【はじめに】帝王切開瘢痕部妊娠に対してメソトレキセート（MTX）による保存的治療を行ったところ，瘢痕部に子宮動静脈瘻が形成された症例を経験したので報告する．【症例】30歳，3妊1産（自然流産1回，25歳時に骨盤位のため帝王切開分娩）．妊娠8週より性器出血があり，近医で瘢痕部妊娠の疑いと診断された．妊娠10週時に多量の性器出血と胎児心拍の消失があり，瘢痕部妊娠・進行流産の診断で子宮内容除去術が施行された．2日後のMRI検査で，瘢痕部に4cmの腫瘤を認めた．絨毛遺残を疑いMTX投与が行われた．治療開始から12週後にhCGは陰性となったが，3cm大の腫瘤が遺残し，多量の性器出血を反復したため当科紹介となった．超音波検査では，帝王切開瘢痕部に37mmの低輝度腫瘤像を認めた．カラードプラー検査で，腫瘤の辺縁部に特徴的なモザイクパターンを認めたことから，中心に血腫を伴う後天性動静脈瘻と診断した．手術を予定し自宅で待機していたところ，多量出血からショック状態となり自宅からドクターヘリで搬送され緊急入院となった．一旦，全身状態が改善し経過を観察していたところ，性器出血と血圧低下のエピソードを反復してみられ緊急手術を施行した．動静脈瘻を含む瘢痕部筋層を十分に切除した後，子宮筋層を縫合した．術後経過良好であった．【結語】瘢痕部妊娠後に動静脈瘻が形成されることがあり，hCG陰性であっても性器出血を反復する例では注意が必要である． 関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 302-302, 2012 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |