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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題7】
妊娠15週で子宮破裂をきたした穿通胎盤の1例


諏訪 裕人, 日下田 大輔, 牛久 妙, 宮本 純孝, 西村 俊信, 中村 学, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科


【緒言】子宮破裂は,稀な疾患であるが,突然の発症により出血性ショックをきたし,母児ともに致命的な疾患である.既往帝切後妊娠は子宮破裂のリスクであり.子宮下部横切開後では子宮破裂のリスクは約0.7%との報告がある.そのほとんどは,TOLAC時の発症であり,陣痛発来前の発症は稀である.今回,我々は妊娠15週で穿通胎盤により子宮破裂をきたした症例を経験したので報告する.【症例】37歳,2経妊1経産,前回の妊娠は分娩停止にて帝王切開を施行されている.子宮は下部横切開であった.今回は,妊娠初期より切迫流産の診断にて入院管理していたが,出血が止まったために妊娠12週からは外来管理としていた.妊娠15週1日,一過性の意識消失と気分不快にて救急搬送となった.腹腔内にecho free spaceを認めず,子宮頸管長は保たれ,胎児心拍も確認された.原因不明であったが,経過観察目的に入院管理とした.入院数時間後,突然ショックバイタルとなったため,全身管理施行するとともに原因検索目的に緊急CTを施行.上腹部にまで及ぶ液体貯留を確認し,試験穿刺にて腹腔内出血と判明.緊急手術施行したところ,子宮下部に胎盤が漿膜を貫いて露出しており,活動性の出血を認めた.子宮破裂創は急速に拡大しており,子宮温存は不可能と判断し,腹式単純子宮全摘術を施行した.術後経過は良好で,術後7日目に退院した.【考察】近年,帝切率増加等により穿通胎盤の報告が増加している.今後,陣痛発来前の子宮破裂症例は増加すると考えられる.過去の報告においても診断に苦慮した例が多く,母体死亡例もある.妊娠初期,中期においても,子宮破裂の可能性を念頭に診療にあたる必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 304-304, 2012


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